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Unwritten Chapters

3 時間の雑談を、AI に読める「僕の言葉」に変えるまで

User Author:Joshua Folkken
3 時間の雑談を、AI に読める「僕の言葉」に変えるまで

仲間と 3 時間ぶっ通しで配信で雑談していると、その掛け合いの中に、自分の考えがぽろぽろこぼれ落ちています。ゲームのこと、AI のこと、健康のこと。でも、それが音声のまま眠っている限り、AI にとっては存在しないのと同じなんですよね。せっかく喋ったのに、誰にも——未来の自分の AI にすら——読まれない。それがずっともったいなかった。

別記事の「裏方」の話です

先に、僕のことしか答えない AI チャットを作った話を書きました。この記事はその姉妹編で、あの AI に食わせる「僕の言葉」を、YouTube ライブからどうやって作っているか、という地味で泥臭い裏方の話に集中します。チャット本体の話はあっちに置いてきたので、ここでは音声とテキストの格闘だけ。

最初は、手でコピペしてた

はじめのうちは、Google AI Studio の画面に音声ファイルとプロンプトを手で貼り付けて、まとめてもらっていました。1 本ならそれでいい。でも配信は何十本もある。同じ作業を毎回繰り返すのかと思うと、単純作業が嫌いな僕としては「これは絶対に自動化するやつだ」と、すぐに腹が決まりました。

「お前、ロボットやろ」と門前払い

まず音声を手に入れるところから、いきなり止められます。YouTube から音声を落とそうとすると「お前ロボットだろ?」と弾かれる。というわけで、普段使っている Chrome のログイン情報を渡して、人間のふりをして通り抜けることにしました。ブラウザの中の自分を、そのままスクリプトに貸してあげる感じです。

軽くしようとしたら、逆に重くなった

次の敵は、ファイルサイズでした。

2〜4 時間の配信を mp3 で落とすと、1 本で 165 MB 超え。文字起こしに渡すには重すぎる。「音楽じゃなくて喋りなんだから、音質なんて最低限でいいやろ」と思って、軽いと評判の opus 形式に変えてみたんです。

そうしたら——194 MB に増えました。は?軽くしたのに重くなるって、どういうことなの。

原因を追いかけたら、笑ってしまいました。YouTube の元音声がそもそも opus だったので、「opus にして」と頼むと変換すらせずそのままコピーしていただけ。こっちが指定した「モノラルで低音質に」という注文が、まるっと無視されていたんです。というわけで、「ちゃんと再エンコードしろ」と念を押して、モノラルの 16 kbps まで削ぎ落とした。喋りが聞き取れれば十分なので、これで一気に軽くなりました。

ちなみにこのスクリプト、最初は yt:mp3 という名前だったんですが、中身は opus を吐くようになったので、名前が嘘つきになってしまい yt:audio に改名しました(細かい)。

他人の名言を、僕の名言にしないで

そして、これが一番の難所。「誰の発言か」問題です。

YouTube のライブは雑談で、複数人で喋っています。放っておくと、AI は場の発言を全部まとめて「僕の考え」として書き起こしてしまう。しかも困ったことに、まとめが上手いんですよ。配信の相方(ロンギヌス)が熱く語った糠漬けのこだわり、お酒の話、健康法——そういうのを綺麗に、それっぽく「僕の持論」として仕立ててくる。うますぎて、逆にタチが悪い。

でもこのチャットは、僕の思想だけを答えるためのものです。他人の名言を僕の顔で返してしまったら、一番やってはいけない事故になる。だから、声で僕の発言だけを切り分けて、そこだけをまとめてもらうようにしました。

それとは別に、もうひとつ気をつけたことがあります。雑談なので、話の流れで参加者のプライベートな話や、場所が特定できてしまうような情報が出てくることがある。ブログは公開されるものなので、そういうのはうっかり載せたくない。だからまとめ役の AI には「ジョシュア以外の人の名前は一切出すな」と強く言い聞かせました。声で発言を仕分けるのは正確さのため、名前を伏せるのは人への配慮のため。目的の違う 2 つの線引きを、それぞれ何度も微調整しました。

いまは、URL を 1 個渡すだけ

さんざん苦労したぶん、仕上げは気持ちよく自動化しました。今は配信の URL を 1 個渡すだけです。

pnpm yt:talk <YouTube の URL>

これ 1 発で、音声を落として → 軽くして → Gemini に送って → 僕の発言だけを要約させて → ブログ形式の記事ファイルを書き出して → ブラウザでプレビューまで開いてくれる。あの手貼り作業が、コマンド 1 行になりました。要約の文体(です・ます調)が回によってブレる問題も、指示を効かせて揃えています。人間がやるべきじゃないことは、機械にやらせる。いつものやつです。

動画を見ながら、文字も読む

出来上がった記事は、ただのブログとしてだけじゃなく、読み方にもこだわりました。この YouTube はあくまで情報の出どころなので、大きな再生プレイヤーはいらない。PC では左側に動画を小さく固定して、右で文章を読む。スマホでは動画が画面の上に張り付いて、スクロールしても見えたまま。動画を横目に文字を追える、二段組みのレイアウトにしてあります。

……とはいえ、音声を聞きながら同時に文字も読むって、正直かなり無理があるんですけどね(笑)。まあ、そういう楽しみ方もある、ということで。

まだ、しゃべり足りない

これで、配信の中にばらまいてきた大量の主張が、ちゃんと AI の栄養になりました。実際、チャットの回答の情報量も質も、目に見えて上がっています。

まだ全部の配信をテキストにできたわけじゃないので、ここからコツコツ増やしていきます。新しいライブもやりたいし、Discord の音声チャットの中身も、そのうち食わせていきたい。喋れば喋るだけ、あの誰得 AI が僕らしくなっていくと思うと、ちょっと楽しい。よかったら /chat で、何本もの雑談から抜き出した僕の考えに話しかけてみてください。


ボツタイトル供養

  • 3 時間の雑談を、AI に読める「僕の言葉」に変えるまで(採用)
  • 軽くしようとしたら、音声が重くなった話
  • 他人の名言を、僕の名言にしないで
  • URL を 1 個渡すだけで、雑談が記事になる
  • 「お前ロボットやろ」と YouTube に門前払いされた
  • 複数人の雑談から、僕の声だけを抜き出す
  • 手でコピペするのはもうやめた
  • 喋った 3 時間を、無駄にしたくなかった

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© 1970 Joshua Folkken